光のもとでⅠ

「それ、美味しそうね?」
 先生がそれ、と指したのはサンドイッチ。
「実はね、私も今日はサンドイッチなの。奇遇ね」
 先生が広げたお弁当箱は私のお弁当箱と然して変わらず、二切れの私に対し三切れなだけ。
 野菜サンドと卵サンドとチョコの生クリームのサンドイッチ。
 私が先生のサンドイッチを観察するように、先生も私のサンドイッチを観察していた。
「カスタードに苺?」
「はい」
「ひとつ交換しない?」
 そんな提案をされるくらいにこのサンドイッチが気になったらしい。
 自分のお弁当箱を差し出したあと、
「あっ、でもこれはダメ」
 先生はひとつのサンドイッチを指差す。
 それはチョコの生クリームにバナナがサンドしてあるものだった。