「藤原が聞いたら泣いて喜ぶんじゃねぇの? いや、坊主もか?」
「え?」
「……簡単に『大丈夫』って一言で済まさなくなったろ?」
 そう言われてみれば……。
「坊主の苦労も甲斐があったってもんだ。おら、脈見せろや。どんだけ最悪か診てやる」
 ニヤリと笑いながら両手を取られた。
「よくもまぁ……ここまで悪くできるもんだな」
 呆れ顔で言われる。
「昨夜寝てねぇって? 睡眠不足はダイレクトにくるって何度言ったらわかんだバカヤロ。ストレスもマックスで心肺機能がめちゃくちゃだ。胃腸も悪いは……なんだこりゃ」
 言ったあと、こめかみの辺りをぐりぐりとされた。