光のもとでⅠ

 ……わかっているのに俺は何度同じことを繰り返す?
 そう思うなら、いい加減自分もどうにかするべきだ。
「さっきも言ったけど……翠が自分を粗雑に扱うと、俺は自分を制御できないくらいに腹が立つみたいだ」
 少し間はあったものの、翠からは反論が返ってきた。
 声を発することができる。
 意識があることにほっとする。
「……私は自分を大切にしてないわけじゃない。ただ、自分以上に大切なものがあるときは仕方ないと思う」
「……その『自分以上に大切なもの』がいくつあるのか教えてくれないか?」
「……え?」
 その対象が俺だけなわけがない。