「ツカサ……?」
顔を上げることもできなければ呼びかけに応じることもできない。
声が震えそうだったんだ……。
何か口にしたら自分が崩れるんじゃないかと思った。
けど、何も言わなければ翠はそのまま俺との距離を詰める。
すぐそこまで来ている、と気配が告げていた。
咄嗟に、
「来るな」
短く放つ。
長い言葉は話すことができなくて。
翠の歩みが止まった。が、それも束の間のことだろう。
このまま何も言わなければ翠は歩くことを再開する。
「それ以上来ないでくれ――」
俺ははっきりと口にした。
直後、トスン――音がした。
翠がラグに膝を落とした音だった。
翠は堰を切ったように話しだす。
顔を上げることもできなければ呼びかけに応じることもできない。
声が震えそうだったんだ……。
何か口にしたら自分が崩れるんじゃないかと思った。
けど、何も言わなければ翠はそのまま俺との距離を詰める。
すぐそこまで来ている、と気配が告げていた。
咄嗟に、
「来るな」
短く放つ。
長い言葉は話すことができなくて。
翠の歩みが止まった。が、それも束の間のことだろう。
このまま何も言わなければ翠は歩くことを再開する。
「それ以上来ないでくれ――」
俺ははっきりと口にした。
直後、トスン――音がした。
翠がラグに膝を落とした音だった。
翠は堰を切ったように話しだす。


