光のもとでⅠ

 俺の足元には寝袋とクッションが転がっている。
 けれど、それらを使うことはなかった
 初めて訪れたマンションのリビングで、これからどうしたらいいのか、どうなるのか、と一晩中考えていた。
 翠に謝らなくてはいけない。
 そうは思うものの、翠には再度選択権が与えられた。
 謝ったところで無意味なのかもしれない。
 もう、取り返しがつかないのかもしれない。
 気づいたとき、翠は俺の中にいた。
 心にするりと入り込み、存在は大きくなる一方で――。
 再度受け入れてもらえるなど甘い期待は抱かない。
 そんな期待をわずかでも抱こうものなら致命傷になるだろう。
 殺傷能力高めな爆弾の起爆剤となって。
 今でさえ、かなりきついというのに……。