光のもとでⅠ

「バカね……。誰も翠葉が悪いなんて思ってないし、翠葉の気持ちがおかしいなんて思ってないわよ」
　と、桃華さんがハンカチを貸してくれた。
「ただ、すごく新鮮ではあったけど」
　と、佐野くんが笑う。
「翠葉、好きーっ！　早く学校に出てきてね」
　と、飛鳥ちゃんに抱きつかれてグラスを落としそうになった。
　それを桃華さんが受け取ってトレイに戻してくれた。
　海斗くんも佐野くんも立ち上がりベッドサイドまでやってくる。
「あーぁ。こんな悩んでるんだったらもっと早くに来るんだったよ」
　と、口にしたのは佐野くん。
「本当……翠葉、全然メールくれないんだもん」
　と、飛鳥ちゃんがむくれ、
「いつになったら連絡くるのかと思って携帯が片時も離せなかったじゃない」
　桃華さんに軽く睨まれる。
「……え？」
　海斗くんだけが面白そうに笑っていて、
「こいつらさ、お見舞いに来たくて仕方なかったんだ」
　と、教えてくれる。