光のもとでⅠ

 お気に入りならなおのことやめてほしい。
『翠葉ちゃんが静さんに選択を迫られたのは記憶が戻った直後。じーさん、記憶が戻ったときの彼女の様子を会って知ってるからさ、そんなときに選択させたことを申し訳ないと思っているのかもしれない』
 そうは言うけれど、つらいことを二度も、ということに変わりはないわけで、俺の怒りは自然と会長に向かう。
 そんな俺に秋斗さんが言った。
『うちのじーさんにしては珍しいことだよ。気に入ったものはどんな手を使ってでも手に入れる。その道理からすれば、選びなおしなんてさせるはずがない。それだけじーさんに気に入られてて、なおかつ期待されてるんだろうな』
 気に入られて期待とかわけわかんないし。
 そんなの、迷惑以外の何ものでもないじゃん。