彼女の意識が自分へ向くように、彼女が俺の方ではなく自分の方を向くように、と話しかける。
「先生、私……わ、たし――」
 翠葉ちゃんが湊ちゃんの方を向いた直後、俺は彼女の細い首の一点を目がけて手刀を落とした。
「翠葉ちゃん、ごめん……」