光のもとでⅠ

「起こるか起こらないかわかりもしないことに四六時中怯えさせたくはない。そう言ってたらしい。記憶が戻ったばかりの彼女を司なりに気遣ってのことだろう」
 これは司が口にした言葉ではあるけれど、俺自身の考えでもある。
 俺が司でも同じことをしていただろう。
 だからかな……。
 なんだか自分を擁護している気分になるのは。
『あの、お宅のおじー様とお孫さん、全く意思の疎通がなってませんけどっ!?』
 あきれ果てた唯の声。
 返ってきた言葉にほっとする。
「秋斗さんちどうなってんですかっ!?」と、まだうちの一族に介入してくれているような気がするから。
「あのじーさんと意思の疎通ができたら人間じゃないって烙印押されるよ」
 ほんの少し、自分の声が明るくなる。
 直後、ゴン、と音がした。