光のもとでⅠ

 この日、胃潰瘍後初めての酒を口にした。
 俺と蔵元はホテルに宿泊予約がしてあり、唯は三十九階にある自分の部屋へ帰る。
 ほかの人間は家族や恋人が迎えにきていたり、電車で帰ったりと様々だった。

 翌日マンションに帰ってきたのは十時過ぎ。
 午前中に軽く今週の打ち合わせを済ませて帰ってきたからだ。
 午前中に済ませようと思っていた仕事が押して昼食を摂る時間が少しずれた。
 それでもまだ一時前。
 コンシェルジュにランチをオーダーしようとしたとき、テーブルの上にあった携帯が鳴る。
 相手は司。
 左手で通話ボタンを押すと同時に、右手はパソコンに表示されるウィンドウを切り替え、学園警備から情報が上がってきていないことを確認した。