光のもとでⅠ

 俺はこみ上げる笑いを堪えきれず、その場に転がって笑った。
 だって中身がカラなのに胡散臭さは本物そのもの。
 モニターやボタンの照明はしっかりと点灯されている。
 たまにピー、という音まで鳴るのだから、中身はカラなのにどこまで手の込んだ箱なんだ、と思わざるを得ない。
 しかも、俺が来るまでずっとあんな不審行動を取っていたのだろうか。
 何、このメンバーっ……。
「あーあ……珍しい。秋斗さん、笑いのスイッチ入っちゃったよ」
 唯の言葉に蔵元が答える。
「ホント珍しい……。この人、今なら箸が転がっただけでも笑えるんじゃない?」
 次の瞬間にはその場の人間がこぞって割り箸を転がす。
 そこへ日下部部長と日比野福部長が到着。
 座敷に転がる俺をみてびっくりするくらいに俺は笑っていた。
 こんな大笑いしたのは人生で初めてだったかもしれない。