「あーぁ。お姫様とデート中だったのに、兄上のお出ましだ」
 半分本気で半分冗談。
 そんな俺の前で、彼女は蒼樹の登場にひどく安堵して見えた。
 残念になんて思わないよ。
 どんな君でも俺は好きだから――。