事態は刻々と変化する。
 それに対応する人も、人の心も。
 ……ひょっとしたら、じーさんは感情だけを教えたいわけではないのかもしれない。
 コミュニケーションそのものを教えたいのだろうか。
 大切な人が相手ならなおのこと。
 自分のことを話せるようになれ、とそういう思いもあるのかもしれない。
 もしそうなのだとしたら、俺は進んでじーさんに加担する。
 自分を正当化する理由ができたから、というわけではなく、好きな人と向き合うということは、本当に大切なことだと思うから。