光のもとでⅠ

 彼女の情報を持っているのは学園の生徒――生徒会の人間か風紀委員あたりに情報を求めるのが手っ取り早いだろう。
 自分が越谷の元へ出向き釘を刺す、という手もがあるが、俺も司もその方法は選ばない。
 俺たちなら、大切なものに手を出されたら倍返し。
 あとには引けない状況を作り出し、退学になるよう仕向けるだろう。
 ほか、催眠術がかけられていると想定すれば、履行されるタイミングについても考える。
 何がきっかけとなるのか、どんな暗示がかけられているのか。
 雅に問い質したところで無駄足に終わるのがオチ。
 むしろ、推測だけで動けば自分の足元を掬われる。
 名誉毀損で訴えられる恐れがある。
 ならば、相手の感情を刺激するように己が動くのみ。
 何かが起こるならとっとと終わらせたいと考える。