「雅様のファイル、会長はどうお使いになられると?」
「……わからない。けど、司に見せることが目的のようではあったかな」
 なんの変哲もない天井を見ながら答え、あ、と思い出したように付け足す。
「司に学園警備の指揮権を与えるらしい。越谷まりあの件を任せるって言ってたけど……」
「……わかりかねますね」
 蔵元が唸るように口にした。
 俺も一緒に唸りたい。
 意味がわからなすぎて……。
 だからこそ、考えなくてはいけない。
 じーさんが何をしようとしているのかを。
「雅の件、真実を知って何を思ったか、って訊かれた」
 俺が感じるものと司が感じるものが違ったら……?
 それによって結果が異なるとでも言うのだろうか。