日下部さんと別れたあと、俺は本社に与えられている部屋で溜まった仕事をいくつかに振り分けていた。
 始めに納期別に分け、さらに資料が必要なものとそうでないものに振り分ける。
 そのうえで優先すべき案件、資料がなくても手がつけられる案件を持ち帰るつもりでいた。
「今日は休まれたらいかがですか?」
 ノートパソコンを小脇に抱えた蔵元が部屋に入ってくる。
「日下部さんもそのつもりでいらしたようですよ? 仕事をしていたら帰すように言われてきました」
 蔵元はファイルを届けたあと、一度会議室へ戻ったのだろう。
 そこで蔵元も持ち場に戻るように言われたのかもしれない。