「秋斗様は通常業務にお戻りください。もうこの件においては残務処理しか残っておりません」
「しかし……」
 日下部さんはニヤリと笑う。
「システム開発のエースにいつまでも残務処理などさせておくわけにはいきません。会社の利益になる場所へ戻っていただかなくては。……心配せずとも、ほかの者も数名残してすぐにもとの部署へ戻らせます。きちんと休暇を取らせたあとに」
 そう言うと、浅く礼をして俺に背を向けた。
 今回武継さんい率いる警護班のメンバーとは皆顔見知りであったが、内部監査、そのほかに充当された人間のほとんどが初めて会う人間だった。
 日下部さんが召集をかけた人材だからなのか、緊急で集められたにも関わらず、一貫して統率のとれた部隊だった。