「そちらに連絡は……――いかないでしょうね。一時的なものだと思います。本日付で司に学園警備の指揮権が与えられるようです」
「それは会長のご意向ですか?」
「……だと思います。明確なことを申し上げられなくて心苦しいのですが」
「いえ、資料の所在と現実に起きている内容が把握できれば十分です」
「今、自分が把握しているのは越谷まりあの件を司が任される、ということくらいです」
「佐々木さんの姪――私たちが問題なし、と判断した人物ですね」
「えぇ、何か起きても風紀委員と学園警備で対応できるはずのものです。こちらに迷惑がかかることはないかと思いますが、ご報告だけ……」
「かしこまりました。学園においては秋斗様の指揮下にございます。何かあったとしても、秋斗様がおさめられるものでしたら問題ございません。ファイルが戻りましたらご一報ください」
 話が済み会議室に戻ろうとしたとき、日下部さんに引き止められた。