光のもとでⅠ

「それ、違う……。傷つけられたのは俺じゃない。謝らなくちゃいけないのは翠じゃない。――今回、俺が不必要に翠を傷つけただけだ」
 俺は事の経緯を先輩に話した。
 話す、といっても要点のみ順を追って話す程度。
 言葉数は少ない。
 多くを語ろうとすればするほど言わなくていいことまで口にしてしまいそうで……。
 主観が入らないよう、事実のみを伝えることを心がけた。
「そっか、そんなことになってたんだ。オーナーが翠葉ちゃんに選択を迫ったとき、俺もその場にいたんだ。そのあとにそんなことがあったとはね……」
 先輩は一度言葉を区切り俺の目を見る。