「こっちだって心配したくてしてるんじゃないっ。したくなくても心が勝手に動くんだから仕方ないだろっ!?」
「っ……じゃぁ――じゃぁ、関わらなければいいじゃないっっっ」
 どうしてだろう……。
 どうしてこんなことになった?
 こんなふうになることを望んでいたわけではないのに。
 空から垂れていた一筋の糸が、ふ、と急に見えなくなった。
「翠がそれを言うのか……? ――選ぶ機会はあったはずだ。俺たちに関わるか関わらないか、選択する機会が翠にはあったはずだっ。そこで関わることを選んだのは翠自身だろっ!? 責任転嫁してくれるなっっっ」
 言葉にして気づく。
 気づいて唖然として、もう八方塞なことに気づく。