「この鍵は?」
この鍵だけは見たことがない。
翠は携帯を手に取り、
「これは唯兄からもらったものなの」
愛おしそうに鍵を見ては、人差し指でそっと触れる。
とても大切なものに触れるように。
指でつついたくらいじゃ壊れるはずもないのに、触れたら壊れる、みたいな様子で。
「ふーん……」
なんでもなさそうに答えたけれど、実のところはあまり面白くなかった。
秋兄が渡したストラップには負ける。
でも、鍵ととんぼ玉なら価値的には五分五分。
この鍵だけは見たことがない。
翠は携帯を手に取り、
「これは唯兄からもらったものなの」
愛おしそうに鍵を見ては、人差し指でそっと触れる。
とても大切なものに触れるように。
指でつついたくらいじゃ壊れるはずもないのに、触れたら壊れる、みたいな様子で。
「ふーん……」
なんでもなさそうに答えたけれど、実のところはあまり面白くなかった。
秋兄が渡したストラップには負ける。
でも、鍵ととんぼ玉なら価値的には五分五分。


