「三時半、か……」
秋兄の言葉に自分も時計に目をやる。
ここに来たのは一時半前だったから、あっという間に時間が過ぎたことになる。
明るかった空も、少しずつ光の分量が減り始めていた。
「まだ太陽はあそこにあるのに、四時を過ぎるとすぐに陽が落ちちゃうんですよね」
翠が低い位置に移動し始めている太陽を見て言う。
「陽が沈むと急に冷え込むから、そろそろ引き上げようか」
「はい」
秋兄と翠、ふたりの会話だけでものごとが進んでいく。
それは、一重に俺が口を開かないから。
自分の不器用さを痛感し、それでもこういうふうにしか生きられない気がして、そのままの自分を翠に受け入れてもらいたいと思ってしまう。
秋兄の言葉に自分も時計に目をやる。
ここに来たのは一時半前だったから、あっという間に時間が過ぎたことになる。
明るかった空も、少しずつ光の分量が減り始めていた。
「まだ太陽はあそこにあるのに、四時を過ぎるとすぐに陽が落ちちゃうんですよね」
翠が低い位置に移動し始めている太陽を見て言う。
「陽が沈むと急に冷え込むから、そろそろ引き上げようか」
「はい」
秋兄と翠、ふたりの会話だけでものごとが進んでいく。
それは、一重に俺が口を開かないから。
自分の不器用さを痛感し、それでもこういうふうにしか生きられない気がして、そのままの自分を翠に受け入れてもらいたいと思ってしまう。


