光のもとでⅠ

「すみません……つい、時間を忘れてしまって」
 撮ることをやめ、カメラのレンズにカバーをつけた。
 もう撮らない、ということなのだろう。
「かまわないよ。司だって翠葉ちゃんが楽しむためにここへ連れてきたんだろうし。だろ?」
 なんでいつも俺の先をいくんだよ……。
「迷惑ならとっとと声をかけてやめさせている」
 結局こんな言葉しか出てこない。
 翠は何を思っただろうか……。
 視界に映る翠は、眉をハの字にして少し困った顔をしていた。
 ここ最近はこんな顔ばかりを見ている。
 そのどれもが自分のせい。