光のもとでⅠ

 昼休みのチャイムが鳴ると同時に姉さんからメールが届いた。
 用件は、弁当を預かっている、というもの。
 姉さんが三階まで弁当を届けに来ることはないだろう。
「預かってる」――即ち、取りに来い、だ。
 席を立つとケンに声をかけられた。
「どこ行くの?」
「下」
「あぁ、お姫さんとこ?」
「さぁな」
 ケンはそれ以上訊いてこない。
 優太も同じ。
 が、嵐はそうはいかない。
 矢継ぎ早に繰り出す質問を優太が止めるのを横目に見つつ、俺は教室をあとにした。