光のもとでⅠ

「まさか――」
「雅の行動はそれじゃ。本来ならば自己防衛のために本能的に取る行動じゃが、雅は知識としてそのことを知っておった」
 頭を鈍器で殴られた気がした。
「書きかけじゃがの、最後のレポートを見てみよ」
 最後のレポート……?
 そこに書かれていたのは、暗示と催眠術に関するもの。
「雅のレポートの中には自己暗示や催眠術に関するものが多数ある。己にかけようとしたのか人にかけようとしたのか……。己と向き合っても楽になれなぬのなら、暗示で楽になろうとしたのか」
 じーさんの言葉がぐるぐると頭を回る。
 何がどうしてこんな話になった?
 少し前の会話を思い出し唖然とする。