光のもとでⅠ

 成績に問題があったわけではない。
 ファイリングされているレポートは多岐の分野に渡り、数も異様に多い。
 ざっとレポートに目を通すが、いい加減なものではない。
 むしろ、読んでみたいと興味をそそられるほどのものだった。
 頭の悪い人間ではない。
 では、なぜ――。
 今までの雅さんに関する話とはギャップがありすぎる。
「ストレスを発散させると問題行動が減る、というのはよく聞く話じゃろう?」
 俺は何を話すでもなく、じーさんの先の言葉を待った。
「その逆を考えたことはないかの?」
「逆……?」

 ――「問題行動を起こすことでストレスを発散する」