光のもとでⅠ

「つまり、佐々木の姪に関してはなんの対策もしておらんということじゃ。たかだか十七歳の小娘、一生徒の色恋沙汰にまで警備会社が関与できるわけがなかろう」
 じーさんは俺が来たときからずっと土を捏ねている。
 息を切らすこともなく淡々と、同じ速度で同じ動作を繰り返す。
 じーさんの言うことはわかる。
 たかが一生徒、学園内でやれることには限りがある。
 風紀委員や学園警備が対処できる範囲内のことしか起こらないだろう。
 それに何か問題があるのか……?
「のぉ、司よ。雅は頭が悪いと思うか?」
「は?」
「雅、じゃ」
 雅、と言われたら雅さんのことしか思いつかないが……。