だが、そんな事態が起きていて内部監査が動かないわけがない。
 犯人を突き止めるまで捜査の手は緩められない。
 どんな組織があり、そこにどんな思惑があったのか、徹底して首謀者や実行犯を割り出す。
 見逃すわけがない。
 今回はいたずら程度のもので済んだが、こんなことは翠が藤宮に関わっていく限り、秋兄や俺に想われている限り、何回でも起こり得る。
 何度でもターゲットにされるだろう。
 その危険から守るための警護班だ。
 人の悪意が蠢く場所だからこそ、もっと厳密に事を運んでほしいと思う。