光のもとでⅠ

 俺はいつだって秋兄の背中を追いかけることしかできなくて、いつだって張り合う対象になんてなれなかった。
 成績も何もかも、すべて秋兄の足跡をたどっているに過ぎなくて、いつだって追うばかり。
 隣に立てたことなんて一度もなかった。
 唯一、翠のことだけでは対等になれる。
 そう思った。
 自分が人を好きになったことにも驚いたけど、それ以上に――ずっと追いかけ続けてきた秋兄の隣に並べることが嬉しかったんだ。
 こんなの、追いかけている側にしかわからない感情かもしれないけど、それでもわかれよ。
 わかってくれよ……。
「……あのさ、責められて楽になるんだったら俺は責めるなんてしない。絶対にしない。その反対だ。肯定してやる」
「司……?」