光のもとでⅠ

 そんなことを考えているうちにシートの張替えは終わり、手もぐるぐる巻きにされた。
「今日は海斗くんたちが午後に来るって言っていたから、午前中は休んでいたほうがいいわ」
「はい、そうします」
 でも、昨夜ぐっすりと眠れたせいか、なかなか眠くはならない。
 もしかしたら薬の耐性ができてきたのかもしれない。
 一週間か……そろそろ耐性ができてもおかしくない頃だ。
 そこにポーチが開く音がしてドアの方を見ていると、栞さんに迎え入れられた若槻さんが入ってきた。
 否、入ろうとしたのを栞さんに首根っこ掴まれて、
「手洗いうがい、アルコールジェルで消毒殺菌っ」
 言われて洗面所に連行される。
 栞さんも湊先生も、外からの風邪を持ち込まないように徹底的に管理をしてくれている。
 でも、学校へ行くようになったら、自分でそれをしなくちゃいけなくなる。