「森の準備が整いました。私はこれからお嬢様をご案内してまいります」
そう言うと、コーヒーを置いてすぐに下がった。
「彼女が森にたどり着くまで二十分くらいはかかると思う。足元が滑りやすくなっているだろうから、いつもに増して時間がかかるはず」
「じゃぁ、わしはその時間を考慮して行くかの」
じーさんは普通の草履からわら草履に履き替えた。
「このほうが滑らんのじゃ」
年のくせに、その場でぴょんぴょんと跳ねて見せる。
木田さんが出て行って戻ってきたのは五十分ほど経ってからのことだった。
「森に着かれて、現時点で二十五分ほどです」
「では、行くとするかの」
じーさんはひょい、とソファから立ち上がり、ボールペン型集音機の使い方を確認してから応接室を出た。
そのあとを追うように藤原清良もドアへと足を向ける。
そう言うと、コーヒーを置いてすぐに下がった。
「彼女が森にたどり着くまで二十分くらいはかかると思う。足元が滑りやすくなっているだろうから、いつもに増して時間がかかるはず」
「じゃぁ、わしはその時間を考慮して行くかの」
じーさんは普通の草履からわら草履に履き替えた。
「このほうが滑らんのじゃ」
年のくせに、その場でぴょんぴょんと跳ねて見せる。
木田さんが出て行って戻ってきたのは五十分ほど経ってからのことだった。
「森に着かれて、現時点で二十五分ほどです」
「では、行くとするかの」
じーさんはひょい、とソファから立ち上がり、ボールペン型集音機の使い方を確認してから応接室を出た。
そのあとを追うように藤原清良もドアへと足を向ける。


