光のもとでⅠ

「年寄りは朝が早いことで……」
『秋斗に先を越されるとはのぉ……』
「……それ、なんの話?」
『今、司とパレスへ向かっておる』
「あぁ、そういう意味」
 昨夜の件はじーさんの耳にも入ったのだろう。
 警護班がついたとはいえ、静さんとじーさんの持ち駒が外されたかどうかは俺に知る由はない。
『わしが行くということがどういうことかはわかっておるじゃろうな?』
「わかりたくはないんですがね……」
 つまり、この人も唯と同じことを言うつもりなのだろう。
 彼女に会うな、と。