じーさんに視線を移したとのとき、開けていた窓から車のキーを引き抜かれた。
「なっ、じーさんっ!?」
「未熟者めが……隙が多すぎるわ。とにかく、散策ルートを回って来い」
「だから、そんな時間ないって……」
「だったら尚のこと、早く行かんか」
 キーは取り上げられたまま。
 もう、何を言っても無駄だと思った。
 会議に遅れたらじーさんのせいにしてやろう……。
 俺は自棄になって車を降り、散策ルートへ足を向けた。