『リィ? ご飯食べられた?』
翠を「リィ」と呼ぶ人間はひとりしかいない。
風が強く吹く中でも不思議とその声はよく聞こえた。
「唯兄……そんな大きな声で話さなくても聞こえるよ」
電話の相手とは反対に、翠は声を潜めて話す。
『え? なーにーーー!? そこ、外? リィの声より風の音がすごいんだけど?』
翠が一瞬耳から携帯を遠ざけるほどには大きな声だった。
『胃の調子は? お弁当食べられた?』
胃……? 弁当って……。
体調が悪いのにこんな寒いところで電話してたのか?
何を考えているんだか……。
翠を「リィ」と呼ぶ人間はひとりしかいない。
風が強く吹く中でも不思議とその声はよく聞こえた。
「唯兄……そんな大きな声で話さなくても聞こえるよ」
電話の相手とは反対に、翠は声を潜めて話す。
『え? なーにーーー!? そこ、外? リィの声より風の音がすごいんだけど?』
翠が一瞬耳から携帯を遠ざけるほどには大きな声だった。
『胃の調子は? お弁当食べられた?』
胃……? 弁当って……。
体調が悪いのにこんな寒いところで電話してたのか?
何を考えているんだか……。


