光のもとでⅠ

「何こそこそしてるんだか……」
 声をかけると肩をビクリとさせ、こちらを向いたときには目を大きく見開いていた。
「こそこそ、なんて……」
「してるだろ? 音も立てずにポーチを開けて、インターホンも押さずにドアポストを使う。それのどこがこそこそしていないって?」
 翠は俺から視線を逸らす。
「あの……今、来客中って唯兄に聞いたから」
「だったら、最初からそう言えば良かったんじゃないの?」
 言い訳だと思った。
 目を合わせないのがいい証拠。
 翠は手に力を入れ、制服のスカートを握る。
 すると、何かに気づいたのかポケットに手を入れた。