歩き始めてから手に持っているものに気づく。
「道場の鍵――」
手っ取り早い方法は、すでに部室にいるであろうケンに鍵を託すことだが、部活をさぼる理由を訊かれるのが面倒だった。
多少時間がかかろうとも、道場の鍵を開け鍵を道場に置いてくるほうが無難。
俺は進行方向を桜香苑へと変え、道場へ続く橋を目指した。
マンションに着くとコンシェルジュに出迎えられる。
「おかえりなさいませ」
「ただいま。翠は?」
「翠葉お嬢様でしたら二十分ほど前にご帰宅なさいました」
「ありがとう」
翠のことだ、点数が採れていないのは文系だけだろう。
理系は自分でどうにかしているはず。
とりあえず、制服を着替えるために姉さんの家へ向かった。
「道場の鍵――」
手っ取り早い方法は、すでに部室にいるであろうケンに鍵を託すことだが、部活をさぼる理由を訊かれるのが面倒だった。
多少時間がかかろうとも、道場の鍵を開け鍵を道場に置いてくるほうが無難。
俺は進行方向を桜香苑へと変え、道場へ続く橋を目指した。
マンションに着くとコンシェルジュに出迎えられる。
「おかえりなさいませ」
「ただいま。翠は?」
「翠葉お嬢様でしたら二十分ほど前にご帰宅なさいました」
「ありがとう」
翠のことだ、点数が採れていないのは文系だけだろう。
理系は自分でどうにかしているはず。
とりあえず、制服を着替えるために姉さんの家へ向かった。


