「あ――やばい」
 あんちゃんも碧さんたちも、今は俺がリィと一緒にいると思ってるんだ。
 だから大丈夫、と思われていてもおかしくない。
 インカムから、リィが座り込んだという内容が聞こえてきた。
 俺は手に持っていた携帯を投げつける。
「着拒されてんじゃ意味ねーじゃんっっっ」
 仕方なく、俺はインカムの会話に混ざることにした。
「割り込みすみませんっ。システム開発第一課所属、秋斗さん直下の御園生唯芹――えぇと、若槻唯のほうが知られてるかもっ!? それはおいておいて、対象、倒れたりしていませんかっ!?」
『こちら警護班、松原です。対象、倒れてはいません。ホームに膝を崩した状態で座っています』
「胸を押さえたりはっ?」
『それもとくには……あの、何か?』