光のもとでⅠ

 それは金曜日の出来事――。
 リィとあんちゃんが病院から帰ってくると、あんちゃんがリィについて話してくれた。
 あんちゃん自身も詳しいことは知らないようだったから深く突っ込むのはやめて、リィが心に決めているらしい「時期」を待つことにした。
 でも、ゴクンと呑み込むにはカクカクした部分が多い物体で、おとなしく喉を通り過ぎてはくれない代物。
 リィの口から聞けたなら、もうちょっと丸っこくて呑みやすかったのかな?
 そんなことを考えていたら、夕飯時にリィが自分から話してくれた。
 そしたら、喉に引っかかっていたカクカクした物体はしゅぅっ、と音を立てて角が蒸発した。
 そして無事に食道を通過してストン、と胃に落ちた。
 俺も大概ずるいよなぁ……。
 避けられているのはわかっていたから、どうしたらリィの懐に忍び込めるか考えた。
 結果、俺は仕事の合間にリィの休んでたときの授業範囲をさらって教えられる程度に復習した。