光のもとでⅠ

「使えないな。これは私が求めるものじゃない」
「すみません……」
 俺は建設中のパレスに飾る写真の依頼を受け、普段の仕事の合間に何枚もの写真を撮っていた。
 しかし、オーナーの満足いくものは一向に撮れず……。
「残念だが、今回は久遠の写真ではなくほかの人間が撮ったものを使うことになりそうだ。今手元に何枚かあるが見ていくか?」
 見たくないけど見ないわけにもいかない。
 俺はオーナーにオーダーされた写真を撮ることができなかった。
 オーナーは、
「親友の娘さんの写真でね」
 と、含みある笑いをする。
 写真を見せられ、
「これ――」