光のもとでⅠ

 君は君で大変なことがあるのかもしれない。
 でもさ、俺も俺で生きる道を構築中なんだよね。
 君には君にしか撮れないものが絶対にある。
 きっと、君が見る世界は俺が見ている世界とは異なると思うから。
 うまい下手じゃなく、どう見せたいか。どう伝えたいか――。
 この子ならわかるんじゃないかと思った。

 君はカメラライフのスタートラインに立ち、俺は自活していくためのスタートラインに立った。
 ものは違ってもスタートラインに違いはない。
 ここからがんばって歩いていこう?
 そう思いをこめて書いたメールだったけど、あまりにも短い文章すぎてオーナーから苦情がくるんじゃないかとヒヤヒヤしていた。
 けれども、何を言われるでもなかった。