光のもとでⅠ

「私も詳しくは知らないんだが、どうやら身体が丈夫ではないようだ。先日、うちの病院を紹介したんだがね」
 イケメン中年が珍しくも苦い顔をする。
「自分で行けないってことですか?」
「さぁ、どうかな? なんせ、親友と言いつつ詳しいことは何も話してくれないからな」
「……その子のためだけに行ってこいと?」
「それなりの報酬は用意するし、のちのことも考えている」
 のちのこと……?
「写真集を出さないか?」
「え……?」
 オーナーは口端を上げ、
「悪い話ではないだろう?」
 その頃、俺は実績を作りたいと思っていたし、報酬自体も十分魅力的だった。
「道場が休みに入る期間でしたら……」
「決まりだな」