光のもとでⅠ

「……記憶の話をしてくれたとき――」
 隣からゴクリ、と唾を飲み込む音が聞こえた。
「あのとき、秋斗さんは今の自分を信じてくれる人は少ないからって言ってましたよね? だから……今はどうなのか気になって」
 さっきから気になる違和感の正体は何……?
 何かが気になるのに、それがなんなのかがわからない。
 少なくとも、紅葉祭前までは俺にここまで遠慮がちではなかったはずだ。
 司のことを訊いてきたかと思えば俺の話。
 それが示すものは……?
 ただ単に、司を好きと気づいたことで俺に罪悪感を感じているのか、それとも――。