「彼女、これから病院なんだ。もう時間がないから翠葉ちゃんにはあとでメールを送ってあげて?」
「了解でーす! でもちょろりと口頭で……。翠葉ちゃん、学校印もらえた! 花丸だって花丸っ!」
 会長は満面の笑みでファイルを開き、翠に見せた。
「じゃ、詳しいことはメールでね! いってらっしゃい」
 翠は「すみません」という言葉と共に、軽く会釈して図書室を出た。

「秋斗先生ったら開き直ったわね?」
 テーブルに頬杖を着いた茜先輩の言葉に嵐が頷く。
「あら、開き直った人間ならここにもいますよ」
 にこりと笑う簾条に、海斗と朝陽が「確かに」と笑った。
 それが俺を指すことはわかっているし、もともとそれに反論するつもりも何を否定するつもりもなかった。