光のもとでⅠ

 病み上がりだから早く寝た……?
 そんな考えが頭をよぎり、切ろうと思ったそのときに携帯はつながった。
 通話状態になったものの、翠の声は聞こえてこない。
「悪い、寝てた?」
『あ、わ……違う。携帯、部屋で鳴ってて、私、お風呂入ってて……』
「あぁ、そういうこと……。で、休んでた分の授業内容、なんとかなりそうなの?」
 俺は会話に困らない話題を適当に振る。
 この内容なら翠も普通に受け答えできると踏んでのこと。
『うん、大丈夫』
「文系もくまなく?」
『……鋭意努力中」
 五日も欠席したともなれば、進んだ授業範囲はそれ相応だろう。
 しかも、それをクリアしないことには授業始めにある小テストにだって影響が出る。