光のもとでⅠ

「そっか……。そうだね、最後まで楽しんでおいで」
 俺は少しだけ無理をして大人ぶる。
 彼女の頭に手を置いたのは、手の平から伝う彼女のぬくもりを感じたかったから。
 本当はすごく残念だと思っていた。
 茜ちゃんとの「約束」もなくなった今、何を憚らず彼女に話しかけられるというのに。
 早速お預けを食らった気分だった。
 昨日と同じように一緒に帰ることができると思っていた。
 昨日とは違って君を助手席に乗せられると思っていた。
 無条件で君の横顔を見られると、そう思っていたんだ。
 だから、君の目にはいつもどおりの俺が映っていたかもしれないけど、やっぱり俺はすごく残念だったんだ――。