次に嵐子ちゃんの手を取りロッカーから出してあげる。
 ふたりが出たあとはロッカーを閉めるだけ。
 それだけでロックはかかる。
 要はオートロックみたいなもの。
「実は、奈落から図書棟以外の地下道を通るのは私も初めてだったんだ」
「え?」
 嵐子ちゃんの言葉に翠葉ちゃんがもっと驚いた顔をした。
 薄暗い中、一度も曲がる場所を間違えずに来られたのは結構優秀。
 嵐子ちゃんは手にメモを持っているけれど、分岐点では必ず美都に通信を入れ、地下番地を確認しながら進んできた。
 いつでもダブルチェックを怠らないところがうちの生徒会だな。