「さ、俺は夜勤前に仮眠とるかな。……あぁ、うちは姉さんのところと違って冷蔵庫に何も入れてないから、食べ物関係はコンシェルジュにオーダーして」
「わかった」
 主寝室へ足を向けると、後ろから声をかけられた。
 それはそれは小さな声で、「ありがと」と。
 振り返ると、照れ隠しのようにテーブルを見つめる司がいた。