光のもとでⅠ

 好きな子ができて、さらにはキスしたとか。
 この司が、ね。
 司は決まり悪そうな顔をして、「お願い」を口にした。
 マンションに二、三日泊めてほしいと。
 何がどうしてそうなのか、考えなくても手に取るようにわかるからおかしい。
「くっ……まぁね、姉さんのとこじゃどうしたっていじられるだろうし、ここで発症しようものならそれこそ洒落にならない。父さんの不機嫌マックスで病院各所に被害者続出。そんな事態は避けるが一番」
 どこまでとばっちりがいくかわかったものじゃないから、それは避けるが賢明。
 こいつはそんなところまで理解している。
「いいよ。空いてる部屋好きに使って。あとで一緒に病院へ行って検査だけは済ませよう。薬はそのときに用意する」