光のもとでⅠ

「薬、すぐに効くといいけど……」
『ウィルスが十分に増殖した状態だからどうかしらね? 少し時間がかかるかも』
 そのとき、つ、とドアが開き司が入ってきた。
「あ、司」
『帰ってきたの?』
「うん、今帰ってきたみたい」
『あれも疲れてるんでしょうね。八時に私が家を出るときにはまだ寝ていたの。ま、とにかくそんなわけで翠葉の検査結果が出揃うまでは病院にいる。お母様にはごめんなさいって伝えておいて』
「わかった。母さんには俺から言っておく。じゃ、姉さんもうつらないように気をつけて」
 通話を切ると、
「兄さん、翠が何……?」