「俺らすっごい楽させてもらってるよね?」
 正面に座る優太が口にした。
「あぁ、そうだな……」
 リトルバンクと収支報告の照らし合わせ作業はほとんどが終わっていた。
 使途不明金もすべて把握、解決済み。
 一部で得た売上金の計上と、余った運営資金を学食スタッフにアルバイト代として割り振る。
 それでさえ、あくまでもアルバイト代として見合う金額になるように翠が調整をかけてくれていたおかげで、俺たちは頭を捻る必要すらなかった。
 最後にパンプキンスープの販売で得た売り上げ金を学園への寄付金として口座に用意する。
 そこまで済ませて全会計作業が終わった。
 ほぼ同時刻にファイリングも終わり、紅葉祭の「集大成」とも言えるそれらを会長に託した。